「これまで問題なくアクセスできていたNASに急にアクセスできなくなった」「アクセス制限をかけていないのに権限を求められる」といったトラブルに遭遇したことはありませんか?
この記事では、Windows 10 / 11の環境で、NAS(ネットワーク接続ストレージ)へのアクセス権限エラーや「ネットワーク資格情報の入力」画面が突然表示される現象の解決方法を紹介します。
特に、エラーが発生する原因や、簡単に解決できる設定方法を分かりやすく解説しているので、同じ状況でお困りの方はぜひ参考にしてみてください。。
目次
1. 急にNASにアクセスできなくなる原因
Windows 10 / 11 を使用していると、ある日突然NASへのアクセスが拒否されることがあります。原因の多くは、Windowsのアップデートやセキュリティ設定の変更が影響しています。具体的には以下のような要因が考えられます:
- Windowsのアップデートによるセキュリティ設定の変更
特に「SMB 1.0」の無効化や、ゲストアクセスの制限がデフォルトで設定されることにより、NASへのアクセスが制限されるケースが多く見られます。 - 古いWindows資格情報の競合
Windowsが古い認証情報(ユーザー名やパスワード)を保持しており、NASへのアクセス時に正しい認証情報を使用できないことがあります。 - NASのファームウェア更新や設定リセット
NAS自体の設定変更やファームウェアの更新によって、アクセス権限や共有設定がリセットされることがあります。
2. エラーの具体例:よくある症状
NASにアクセスしようとすると、以下のようなエラーが表示されることがあります。
- 「アクセス権限がありません。このネットワークリソースを使用するアクセス許可がない可能性があります。」
- 「ネットワーク資格情報の入力」画面が突然表示される
- 「ユーザーがリモートサーバーへの認証プロンプトを取り消しました。」
これらのメッセージは、NASへのアクセス権限が拒否されたり、WindowsがNASの共有設定を正しく認識できていないことを示しています。
3. 解決方法:NASへのアクセス権限エラーを解消する手順
これらのエラーを解消するためには、いくつかの設定変更を試してみる必要があります。以下の手順を順に試してみてください。
【手順 1】SMB1.0の有効化を確認する
古いNASを使用している場合、SMB 1.0が無効になっているとアクセスできなくなります。これを有効にすることでアクセス可能になることがあります。
- 「コントロールパネル」→「プログラムと機能」→「Windows の機能の有効化または無効化」を開く
- 「SMB 1.0/CIFS ファイル共有サポート」にチェックを入れて有効にします。
- PCを再起動し、NASに再アクセスしてみてください。
【手順 2】レジストリの設定を確認する
Windows 10 / 11 の場合、レジストリ設定の一部を変更することで、アクセス権限のエラーを解消できることがあります。
自己責任で慎重に操作してください。
- 「スタート」→「regedit」でレジストリエディタを開く
- 以下のキーに移動します:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\LanmanWorkstation\Parameters
- 右側の空白部分を右クリックし、「新規」→「DWORD (32 ビット) 値」を選択します。
- 「AllowInsecureGuestAuth」がすでにある場合は、値をダブルクリックして「1」に変更します。
- まだ存在しない場合は、新規で「AllowInsecureGuestAuth」を作成し、値を「1」に設定します。
- レジストリエディタを閉じ、PCを再起動します。
4. 再発を防ぐための設定
同じ問題を繰り返さないためには、以下の設定を行いましょう。
- NASのIPアドレスを固定化する
DHCP設定のままだと、再起動後にIPアドレスが変わる可能性があるため、固定IPに設定することを推奨します。 - Windows Update後の設定確認
Windowsのアップデート後には、SMB 1.0やレジストリ設定が元に戻ることがありますので、アップデートのたびに設定を確認する習慣をつけましょう。
5. まとめ:解決しない場合の追加対策
上記の方法をすべて試しても解決しない場合は、以下の追加対策を検討してみてください:
- NASのファームウェアを最新に更新する
古いファームウェアでは最新のWindows環境で正常に動作しないことがあるため、NASの管理画面からファームウェアを最新バージョンに更新してください。 - セキュリティソフトの設定を確認する
ファイアウォールやウイルス対策ソフトがNASへのアクセスをブロックしている場合があるので、設定を一時的に無効にしてアクセスを試みてください。